運送業のGマークとは?メリットや手続きなどについて詳しく解説

コラム

Gマークは法的義務はありませんが、運送業の取引や公共入札で有利になり、事故防止や経営安定にも関係しています。それでは詳しく解説します。

Gマーク制度とは

「Gマーク」とは、国土交通省が推進する「安全性優良事業所認定制度」によって認定された運送事業者に与えられるシンボルマークのことです。

正式には「貨物自動車運送事業安全性評価事業」という名称で公益社団法人全日本トラック協会が実施しています。

交通事故防止、労働安全、法令遵守などに積極的に取り組んでいる事業所を評価し、その優良性を広く示すための制度です。

認定事業所はトラックや名刺、広告などに「Gマーク」を表示できて、荷主や取引先に対して安全性を客観的に優良性をアピールすることができます。

Gマークは、事業者の安全に対する意識の高さを示すものであり、このマークを取得している事業者は、取引先などに国が定めた基準だけでなく、さらに高いレベルで安全対策を行っていると判断してもらえます。

Gマークと運送業許可

運送業を始める場合に必ず必要となるのは「一般貨物自動車運送事業許可」や「特定貨物自動車運送事業許可」などの営業許可ですが、Gマークは法律上の必須要件ではありません。運送業許可を取得していても、Gマークを取得していない事業者は多数存在します。

ただし、近年の公共入札や大手荷主との取引においては、Gマークの有無が取引条件に含まれるケースが増えています。

運送業許可は最低限必要な営業ライセンスであり、Gマークは事業の「信頼性」を高める追加的な評価制度と位置付けられます。

Gマークのメリット

Gマークを取得することで、次のようなメリットがあります。

取引面での信頼性の向上

荷主の企業や元請会社は「安全性の高い事業者」を選ぶ傾向が強まっており、入札や契約時にGマークが評価されます。

取引先や荷主からの信頼が高まって新規顧客獲得につながりやすくなります。

公共調達・入札での優遇

国や自治体の公共入札では、Gマーク認定事業所であることが加点や条件になることがあります。

高速道路料金の割引

Gマーク取得車両の一部が、高速道路料金の割引を受けられる場合があります(ETC2.0割引)。

労働環境の改善・事故防止

認定基準に沿って安全管理体制を整備することで、事故率や労災リスクを下げられます。

保険料・金融面の優遇

損害保険会社によっては自動車保険料の割引制度が適用される場合があります。また金融機関からの評価も上がります。

従業員採用や定着に有利

安全管理を徹底している事業所は、ドライバーや従業員からの信頼を得やすく、人材確保にも有利になります。Gマーク取得のために安全管理体制を強化することで、事故の減少や運行管理の効率化が図られます。

Gマーク取得の要件

Gマークの評価は「安全性に関する取り組み」について点数化されて一定基準を満たすことで認定されます。

  • Gマーク取得の主な評価項目は次のとおりです。
    • 安全性に関する基本方針の策定・周知
    • 運行管理者や整備管理者の選任・研修体制
    • ドライバーの教育、安全会議の実施
    • 事故・違反記録の管理と再発防止策
    • 車両点検整備の徹底
    • 過去の事故・違反件数の少なさ

また、認定のためには事業開始から概ね3年以上経過しているこや、輸送の安全に関する基本方針を策定していることが必要になります。

安全性に対する法令の遵守状況

過去の行政処分歴や事故件数など、法令を遵守しているかが評価されます。

安全性に対する取り組みの積極性

安全教育の実施状況、安全マネジメントの導入状況などが評価されます。

過去の事故・違反件数の少なさ(事故や違反の状況)

故や交通違反の件数が一定基準以下であるかが評価されます。

Gマーク取得手続き

Gマーク取得の手続きは次のとおりです。

申請書類の準備

安全性評価申請書、事業所概要、運行管理・整備管理体制、教育訓練計画などを用意します。

トラック協会への提出

申請期間内に、事業所の所在地を管轄する都道府県トラック協会に書類を提出します。

毎年6月頃に公募が始まり、申請期間が設けられます。提出期限を過ぎると受け付けてもらえません。

書類審査・評価

全日本トラック協会が提出された書類をもとに審査を行います。

提出書類に基づいて評価点が算出されます。基準点以上であれば認定されます。

認定・公表

認定された事業所は翌年1月から3年間有効のGマークを使用できます。更新申請により継続可能です。

Gマーク取得費用

Gマーク取得にかかる費用は、次のようになります。

申請手数料

1事業所あたり、都道府県トラック協会によって異なる場合がありますが約3万円程度です。

更新手数料

同じく数万円程度になります。

社内体制整備の費用

安全教育資料、外部研修、労務管理システム導入など、実際の取り組みに伴うコストが発生する場合があります。

ゴールドGマーク

ゴールドGマークは、同じく安全性優良事業所制度の認定6回目の長期安全認定事業所に与えられる評価です。

Gマーク認定を6回継続して取得して20年以上にわたって安全な運行実績を積み重ねた事業所のみが対象となります。

認定を受けた事業所はゴールドGマークのステッカーやマークを使用することが認められます。