建設業許可更新の必要書類と注意点について詳しく解説

コラム

大きな工事や公共工事の入札など建設業許可が必要になりますが、許可には有効期限があって、期限が来る前に更新手続きをしなければなりません。更新を忘れると許可が失効してしまいます。

建設業許可とは

建設業許可は、建設工事を請け負うために必要な許可です。建設業法に基づいて一定の要件を満たすことで取得できます。許可を取得することで、大きな建設工事を請け負うことができますし、社会的な信用を得ることもできます。

建設業許可は、請負金額によって一般建設業許可と特定建設業許可の2種類があります。また、請け負う工事の種類に応じて業種別許可が29種類設けられています。

建設業許可の更新とは

建設業許可の有効期間は、許可を受けた日から5年間です。この5年間の有効期間が満了する前に、継続して建設業をするのであれば、建設業許可を更新申請しなければなりません。

更新しないでいると、有効期間満了日をもって許可は失効してしまい、その日から建設工事を請け負うことができなくなります。

更新申請は、有効期間満了日の3ヶ月前から30日前までに行うようにします。都道府県によっては申請期間が異なる場合もありますので、最寄りの建設業許可を管轄する県庁などの行政庁に確認します。

建設業許可更新の必要書類と添付書類

建設業許可の更新では、新規申請時と同じく多くの書類が必要となります。必要書類と添付書類は次のとおりです。

申請書類

・建設業許可申請書
・更新申請書
・役員等の一覧表
・営業所一覧表
・営業所技術者一覧表
 各営業所に配置されている営業所技術者の氏名、保有資格など
・経営業務の管理責任者証明書
 経営業務の管理責任者の要件を満たしていることを証明する書類
・営業所技術者証明書
 営業所技術者の要件を満たしていることを証明する書類
・工事経歴書
 過去5年間の主な請負工事の概要を記載
・財務諸表
 貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表など
 個人事業主の場合は、確定申告書など
・納税証明書
 法人税または所得税の納税証明書。
・健康保険等の加入状況を確認できる書類
 社会保険、雇用保険の加入状況がわかる書類
・誓約書
 欠格要件に該当しないことを誓約する書類

添付書類

・登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
 法人の場合。発行から3ヶ月以内
・定款
 法人の場合
・住民票
 個人事業主の場合
・国家資格者証の写し
 営業所技術者の資格を証明するもの
・実務経験証明書
 営業所技術者の要件を実務経験で満たす場合
・許可通知書の写し
 現在の建設業許可通知書
・社会保険等加入を証明する書類の写し
 健康保険証の写し、雇用保険適用事業所設置届の写しなど
・営業所の所在地を確認できる書類
 賃貸借契約書の写し、不動産登記簿謄本など
・事務所写真・案内図
 営業所の外観・内観、周辺地図など

これらの書類は、建設業業種や申請する都道府県によって追加で必要となる書類や様式が異なる場合があります。事前に申請先の県庁など所轄の行政庁に問い合わせをしておきます。

都道府県による違い

建設業許可は、国土交通大臣許可と都道府県知事許可の2種類がありますが、更新手続きでは申請先の都道府県によって必要書類の様式や添付書類、手数料、申請期間や受付時間、審査期間などが異なりますので、あらかじめ所轄の官公庁に問い合わせておきます。

個人事業主の場合

個人事業主が建設業許可を更新する場合も、基本的な必要書類は法人と大きく変わりませんが、いくつか異なる点があります。

経営業務の管理責任者

原則として、事業主本人が経営業務の管理責任者となります。

財務諸表

法人の貸借対照表や損益計算書に代わって所得税の確定申告書(青色申告決算書や収支内訳書を含む)や、個人事業の財務状況を示す書類を提出します。

納税証明書

法人税の代わりに所得税の納税証明書を提出します。

登記事項証明書、定款

これは法人にのみ必要なため、個人事業主の場合は不要です。

住民票、身分証明書は事業主本人のものが必要となります。個人事業主の場合も、法人の場合と同様に、事前に申請先の都道府県の情報を確認し、必要な書類を漏れなく準備することが大切です。

書類作成の注意点

建設業許可の更新申請は、新規申請と同じように多くの書類作成と収集が必要となりますので、手間がかかります。

申請期間

有効期間満了日の3ヶ月前から30日前までという申請期間を守るようにします。期間を過ぎてしまうと、許可が失効してしまい新規で許可を取り直すことになります。

最新情報の確認

必要書類や様式は都道府県によって異なりますので法改正や制度変更によって変更されているかもわかりません。事前に申請先の県庁などの行政庁で確認しておきます。

添付書類

添付書類が揃っているか、有効期限内のものか、原本が必要かコピーでよいのかなどを確認して不足がないようにします。

証明書類の発行時期

住民票や身分証明書、納税証明書、登記事項証明書など、発行から3ヶ月以内という有効期限が定められていることが多いです。

公的書類の取得

住民票、身分証明書、納税証明書、登記事項証明書など、市役所、法務局、税務署などの公的機関で取得する書類が多くあります。取得には時間がかかる場合があります。

財務諸表

財務諸表は、直近5年間の実績が必要となることが多く、経営状況を正確に反映しているか確認が必要です。